みなさん、お元気ですか?快気堂鍼灸院白石院長の谷地一博です。
開業に向けて、一歩一歩、亀のように前進しています。本日は当院にやってきたスピーカーとアンプについてご紹介したいと思います。
若い頃、ミュージシャンを目指していた私、音響関係にはこだわりを見せたい所です。また、鍼治療と音楽にはオセロの松嶋と中島のごとき、浅からぬ関係があると私は考えています。
以前にもチラリと述べましたが、鍼治療というものは分子レベルで、痛みを誘発するATPを介した働きが起こらないにもかかわらず、アデノシンという鎮痛物質の働きを増大させるという面白い現象を引き起こします。痛みを感じていないのに、痛みに対する鎮痛反応が起こる。これは、意識を介さずに脳をコントロールし、結果、身体をコントロールしているということです。つまり、鍼治療は、無意識に介入し、操作しているのです。
一方、聴覚というものは、無意識に深く関わる感覚です。意識が消失する就寝中も、聴覚は働いています。危険な信号をキャッチして身の安全を守るためです。人間を含めた動物は、聴覚によって、意識を介さずに、安全か危険か、好きか嫌いかを瞬時に判断しています。そのため、聴覚は無意識に非常に深く関わっているのです。
鍼治療も、聴覚も、同じく無意識に介入するものです。鍼治療で無意識を良い状態に変化させても、聴覚からノイズが入れば、治療の効果も薄れるでしょう。逆に、お互いに良い影響を与え合えれば、相乗効果で治療の結果もよくなるはずです。
ということで、音響関係にもこだわりたい所ですが、音響マニアではないので、知識がありません。ミュージシャンというのは、スタジオでさぞ凄い音響設備で音を聞いているのだろうと考えるむきもあるかもしれません。しかし、音楽制作をする人は、レコーディングの際、ラジカセやウォークマンを含めたあらゆるプレイヤーで再生される事を考慮して、とびきり良い音で聞くのではなく、できるだけフラットな音で聞く事が良しとされているのです。そのため、再生用のスピーカーやアンプ等にこだわる人は意外に少なく、知識も乏しかったりします。
ただ、私にも音の好みはありまして、近年の低音を強調する傾向のものは余り好きではなくて、やはりフラットな音で各楽器の音の輪郭がはっきりしているものが良いなぁとは思っています。ただ、音響の世界は修羅の道とは良く言ったもので、「スピーカーだけで何十万、、それもペアじゃなくて一本の値段かよ!!」といったような事例が普通な世界で、深みにはまれば脱出不可能な底なし沼である事もよく知っています。開業資金も限りがある中、それでもどうにか良い音で患者さんをお迎えしたいと悩む日々。迫る開業予定日。追いつめられたあげく、猫にUSB付きの首輪をはめかねない勢いでネットサーフィンをしていると、こんな面白い記事を見つけました。
「CDプレーヤーの最終回答」。このPRO CABLEさんによると、CDプレーヤーは構造的な問題でもとのデータの半分くらいしか再生できない欠陥品であるとのこと。これは100万以上するプレーヤーでも避けられない致命的な欠点であり、1000万円のプレーヤーが一万円弱のiPodに音で負けてしまうと言うのです(iPodのデータをAIFFにした場合)。私も、iPodの音の良さについて疑問に思っていたことがあったので、音響のプロに説明されると、なるほどこういう理由なんだと、深く納得したのでした。
そのPRO CABLEさんでオススメされていたスピーカーとアンプがBIC DV62siとCROWN D-45です。10万円以下で揃えられるリーズナブルさですが、これにMACのオーディオアウトを組み合わせると、ン百万円するオーディオセットより良い音がするとの事。この事について、ネットで検索すると、もちろん賛否両論がありましたが、素直な良い音が出るのは間違いなさそう。また、オーディオマニアでもないし、あくまでBGM用なので、この値段でそれなりの音が出れば良いと決断。ネットで注文し、3日で到着。最近の流通事情って素晴らしいですね。
早速、セットし、再生してみると、、。
「な、な、な、なんということでしょう!!」
素直で輪郭のはっきりした音が、透明感をもって響き渡ります。ちなみに最初に再生したのは辻井伸行君の「ショパンの子守唄」。ピアノの調べが、治療院の木の壁にすうっと吸い込まれていくようで、木の香りと相まって、まるで森の中で演奏会を聞いているような感覚に陥りました。リアル「ピアノの森」か?
クラシックだけでなく、Jazz、Funk、Bluse等ジャンルを問わず瑞々しい音が奏でられます。意外にもYMOの「ライディーン」が、今までとは全く違った解釈が可能な程の音質の向上具合で、とにかく上がり、息子を抱いた奥さんと踊りだしてしまいました。
想像以上の音の良さ。ありがとうPRO CABLEさん。
治療院を訪れた方に聞いてもらうのが楽しみです。