決戦!!年少運動会
9月10日は息子の通う白石保育園の運動会でした。
もうすぐ4歳になる息子の運動会参加は、今回で3回目になります。
これまでの戦績は、
2年前| かけっこ 最下位 |
1年前| かけっこ 1位 | お遊戯 センターで大活躍 |
といった結果でした。
2年前は、かけっこ最下位だったのが、1年で急に1位になったのは、活法(古武術整体)で息子の骨盤を調整したのが良かったのではないかと思っています。
骨盤の調整で足が速くなる!?
活法には、骨盤回しという手技があるのですが、これをやると「足が速くなる」という噂があり、私の息子も結果をだしたりしたため、昨年、活法研究会で検証ブームが巻き起こりました。
代表的な検証として、ふくぎ治療院さんのブログの記事を載せておきます。動画もあって、非常にわかりやすい上に、大の大人が早朝に集まってウキウキ検証している感じが最高なので、是非ご覧下さい。
[blogcard url=”http://fukugi2910.com/blog/?p=2441”]
もちろん、厳密な検証ではないのですが、それなりの効果は期待できそうです。
活法でアスリートに!?
昨年は運動会後も、活法を続けていれば、運動の得意な子になれるかも!?と、骨盤回しを息子にし続けていたのですが、一月もすると息子は飽きてしまい、施術しようとすると、激しく抵抗するようになってしまいました。
そのため、息子への活法は長らく封印されることになりました。
一年経ち、今年の運動会も、あと10日後に迫ったある日、息子が「今日、保育園でかけっこの練習したんだ。」と言いました。「何番だった?」と聞くと、「5番だった」と悔しそうに言いました。
よし、それなら活法をしてやろうと思い、息子の足に手をやると、「やめて!!」という絶叫とともに、私の顔面に蹴りが飛んできました。
右目に走った鈍痛に耐えながら「こ、こ、これやったら、足が速くなるよ」と私が言うと、「早くやって!!」と息子は手のひらを突然返してきました。
気を取り直して左の骨盤の調整をし、ちょっと一息入れている私に、「右足もやって!!」と息子の怒声が飛んでくる有様です。
それからというもの、息子に足の速くなるおまじないとして、活法を毎日施すようになりました。
すると、練習で一位をとれるようになったようで、「パパがやってくれたから、一位になったよ」と、おばあちゃんに嬉しそうに語っていました。
前日、そして当日の朝に、「ママ、僕、運動会頑張るから!!」という、普段マイペースな息子には珍しい力強い発言もあり、期待は否が応でも高まります。
結果発表
結果を先にお知らせしますと、個人種目は残念ながら全て最下位でした。
原因として、身体の問題ではなく、メンタルの問題が出てしまいました。
入場行進の時から、息子は顔が曇っていました。
開会式のあとの、大好きなはずのブロッコリー体操では、なんとか身体は動かすものの、完全に泣き顔になっていました。
次の出番を待つ間も、ずっと目をこすり、涙を拭いていました。
そんな中、かけっこが始まりました。息子は、スタートの音が耳に入らず、先生に促されて前に進みましたが、足が引きつった感じで、ヒョコッヒョコっと痙攣したように走り、みんなからだいぶ遅れて、やっとゴールしました。
その後、控えの席に戻ると、悔しくなったのか本格的に泣き始めてしまいました。退場するかな〜と心配しましたが、先生やお友達に慰められながら、何とか踏みとどまりました。
次の障害物競走も、「自分が何をしているのか分からない」といった感じで、最下位。
続けて行われたお遊戯の発表も、ポーズは所々するのですが、身体が動かず、また泣き顔になってしまいました。
年長の子とペアになってやる玉入れ競争は、泣き顔ながらも、玉をきちんと拾ってこなしました。
リレーでは、少し回復したのか、顔は泣いてるけど走ることは出来ていました。前に走っていた子にも追いついていたので、スピードも出ていたと思います。非常に多くの人数で走っていたので、貢献度は分かりませんが、息子のチームは1位でした。
最後に、親子参加での「お寿司ダンス」があり、妻と一緒に息子が並んでいるところに行きました。
息子はまだ泣き顔。どうしたの?と聞いてみると「ママがいなくて、寂しかったの」と言いました。
子育てと運動会
私が自分に課している子育て3箇条があります。
- 怒らない
- 子供の心情を出来るだけ想像してあげる
- 他と比べない
これは、
- 思い通りに行かなくても感情的にならない人
- 人の気持ちをおもいやれる人
- 自分の本当に好きなことを追求する人
に息子が育ってくれたらいいなという気持ちの裏返しでもあります。
それなら、まず自分がやれ、ということです。
現代の「子育て論」としてはスタンダードな方針ですが、私達が子供の頃の子育ての常識とはかけ離れています。
特に、「巨人の星」的世界観の残り香がまだあった昭和後期を幼少期として過ごしてきた40代の私達夫婦には、「厳しくすることでたくましくなる」信奉が、まだ根強く心の中に残り続けていて、今回のように思わぬ事態に直面すると、本当に今の教育方針が正しいのか?と心がグラグラとしたりします。
特に、運動会はどうしても人と比べてしまいがちなシーンに溢れているので、なおさらです。
想像力
迷ったときは、基本に立ち返ることが大事です。
まず、感情的にならないように、素数を数えて心を落ち着けました。
そして、周りの子や過去の息子と比べるのをやめて、息子の心情の理解に努めました。
思い出してみると、運動会の3日くらい前から、息子はひどい便秘になっていました。また、運動会が近づくにつれて、保育園に行くのを極度に嫌がり、登園時は泣きわめき、帰りもシクシク泣いているという状況でした。
こう考えると、運動会は息子にとってすごいプレッシャーだったのかもしれません。
「昨年は大活躍だったので、今年も当然、、、うまくやらなきゃ!!」という自らの、または、周りの期待を背負い、胸は苦しくなり、身体も動かないという人生初の体験に戸惑ったのかもしれません。
息子は、身体に不調があると、ママにそばにいてもらいたがります。
運動会中も未体験の身体の不調に戸惑い、ママの所に行きたいけど、頑張らなくちゃ行けないから行けない、そんな思いで胸が一杯になり、泣いてしまったのかもしれません。
メンタルの弱さ、強さ
これをメンタルが弱いと問題視すべきでしょうか?
ここで私は、オリンピック野球元日本代表のGG佐藤選手の事を思い出しました。
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プロ野球での大活躍を認められ、北京オリンピックで日本代表に選ばれたGG佐藤選手。
2試合連続で、中学生でもしないような信じられないエラーを3回もしてしまい、日本中から非難を浴びました。
その後、立ち直ることが出来ず、選手生命も終了してしまいました。
原因として、国の期待を背負っているという極度のプレッシャーがあったと言います。
緊張で、鳥肌が立ち、汗が泊まらず、思うように身体が動かず、視野も狭くなり、自分が何をしているかも分からなかったとのこと。
興味深いのは、GG佐藤選手だけでなく、日本代表選手の全員がそんな感じだったと言います。
一流のアスリートでも、慣れない環境ではプレッシャーに打ち勝つのが難しいのに、3歳の息子にそれを期待するのも難しいと思います。
息子の奮闘
でも、そう考えると、息子への見方が変わってきます。
押しつぶされそうな人生初の重圧の中で、息子は泣きながらも、逃げ出すことはしませんでした。泣いてしまった子は、完全に固まってしまうか、先生に付き添われてゴールすることが多いですが、息子は泣きながらも最後まで走ってゴールしました。
私は、己の重圧に打ち勝ったのだから、褒めてあげるべきだと思いました。
親子で踊る
運動会最後のプログラム「お寿司ダンス」が始まりました。
ダンスの中で、親が子供を抱っこする振り付けがあるのですが、私は思い切って息子を高く高く抱き上げました。
泣き顔で最後まで走った息子が嬉しくて、誇らしくて、愛おしくて、誰よりも高く高く抱き上げました。
すると、「ケラケラ」という声が私の頭の上から聞こえました。急に抱き上げたから、もっと泣いちゃったかな?と思って息子を見ると、満面の笑みで笑っています。
もしかしたら、私達の評価も気にしていたのかもしれません。
最後のプレッシャーが解けたのでしょうか、息子は、息子らしく「ケラケラ」笑い、私は嬉しくて、また息子を空に放り投げんばかりの勢いで抱き上げました。
運動会で得たもの
運動会のあと、妻の方はショックがなかなか抜けませんでした。
母親は息子のことをいつも過剰に心配する生き物です。「自分の育て方が間違ってるんじゃないか。自分が悪いママだからかしら。もっといいママにならなければダメなのかしら。」と不安になるのも仕方がない事です。
息子には、極力そういう姿を見せてはいないのですが、どこかで感じていたのかもしれません。
寝る前に、便秘もすっかり治った息子がこう言いました。
「いいママでも、悪いママでも、普通のママでも、いいんだよ。ママのこと大好き。」
他の子と比較してどうかはわかりません。
でも、そんな風に言ってくれる息子は、私達にとって最高の子供だと気づくことが出来、非常に思い出深い運動会となりました。