お魚くわえて

鍼治療が世界を変えるまでの記録

秘密国家警察?JASRACと契約してみました。

悪魔?との契約

JASRAC日本音楽著作権協会)と契約しました。

 

JASRACとは、作曲家・作詞家など楽曲の著作権を持つ人達に代わって、音楽の使用料を徴収する団体です。

 

例えば、私がカラオケ店でTMネットワークの「Get Wild」を熱唱したとします。私が払うカラオケ料金のいくらかは、この素晴らしい楽曲を作曲したTKこと小室哲哉さんにも分配されるべきです。

 

ただ、カラオケ屋さんを初めとする音楽を商売で利用する全国のお店と交渉し、お金を集めるというのは大変な作業です。

 

小室哲哉さん個人がやろうとしても無理があります。

 

そこで、そういった面倒な作業を一括して代行する組織としてJASRACがあるのです。

 

JASRACは正義の味方?悪の使者?

 

アーティストの強い味方であるはずのJASRACですが、ネット上の評判は最悪で、カスラックなんて呼ばれています。

 

音楽には古来から、人類が自然と歌ったり踊ったりして自由に楽しんできたという歴史があり、規制されることに強い違和感を感じる人は多いでしょう。

 

特にネットは自由な雰囲気が好まれる傾向にあるので、権利を主張し規制を強める側のJASRACは憎むべき敵側と感じてしまうようです。

 

JASRACの職員は文科省からの天下りが多いというのも嫌われる要因の一つです。

 

また、著作権料を払わずJASRACに訴訟を起こされるのは、大手ではなく零細企業が多いため、弱い物いじめのようにも見えてしまいます。

 

訴訟の発端となるのは、大多数が名もなき市民からの密告です。密告から訴訟へ発展するという形は、独裁国家の恐怖政治みたいな底知れぬ恐さを感じます。 Poor boy / Smabs Sputzer

ネットでの評判を見ていると、JASRACはまるでナチス秘密国家警察ゲシュタポのような極悪な印象を受けてしまいます。

 

鍼灸院と音楽

 

鍼灸院の環境作りに音楽は必要だと私は考えています。

 

頭痛、めまい、難聴、逆流性食道炎などを初めとする不調の多くは、身体の不必要な緊張が原因となっている事が少なくありません。

 

初めて鍼灸院を訪れた患者さんが、あまりにも緊張していると、不調の原因となっている緊張が埋もれてしまい、治療する際に見つけづらくなってしまいます。

 

鍼灸師にとっては、患者さんにはできるだけリラックスして頂き、日常と近い状態で身体を診させて頂きたいのです。

 

鍼灸師と患者さん、二人きりの空間で無音だとプレッシャーを感じる方もいます。リラックスして頂くためのツールとして音楽が果たす役割は大きいのです。

 

店舗と著作権

 

鍼灸院に限らず、店舗で音楽を流す際にも著作権料は発生します。カスラックの餌食にならないためには次の様な方法があります。

 

1,JASRACと個別で契約を結ぶ。

 

2,USENなど、JASRACと一括契約している音楽配信サービスを利用する。

 

3,著作権フリーの音源を流す。

 

4,テレビ・ラジオの放送を流す。

 

当院では今まで3を採用し、著作権フリーの音楽CDを利用していました。しかし、著作権フリーの音楽はバリエーションが少なく、似たり寄ったりの曲ばかりになります。

 

毎日、何時間も同じ曲を聴いていると、頭がおかしくなりそうな時があります。

 

20代の頃、初めてバイトした東京のTSUTAYA。店舗用のTSUTAYAオリジナルの宣伝放送が永遠ループしていました。

 

オススメ楽曲として放送内で繰り返しかかっていたPUFFYの「渚にまつわるエトセトラ」。

 

この楽曲を聴くと、レジのお金が合わない度にバックヤードに呼び出され、「お前のこと信用してない、お前が盗ったと俺は思ってるからな」と先輩にどやされた思い出がフラッシュバックし、吐きそうになります。

 

バリエーションの必要性

 

自分の事情は置いておいても、当院は耳鳴りや聴覚過敏症、突発性難聴など耳の不調に悩まされる方の来院が多くなっており、BGMに多様さが欲しくなりました。

 

一口に耳の不調といっても、高い音を聞くのが辛い人もいれば、低い音を聞くのが辛い人もいます。

 

大体の方は無音だと耳鳴りが増す傾向にあります。

 

音楽が大きすぎて辛いと感じ始める音量もまちまちです。

 

100%応えるのは難しいですが、治療中はできるだけ患者さんが過ごしやすい環境を整えたいところです。

 

そのため、流す音楽にもバリエーションが欲しくなったのです。

 

USENという選択肢

 

多様な音楽を流すため、第一候補に考えたのがUSENです。店舗のBGMといえばUSENと頭にあったためです。

 

 

USENはもちろんJASRAC包括契約を結んでいるので、著作権問題はクリアーしています。

 

しかし、USENだとデメリットがあります。

 

まず、チャンネルは多様にあるが、自分が曲自体を選ぶ事は出来ないというところです。いらっしゃった患者さんにドンピシャで合わせるというのは、USENでは不可能です。

 

そして、価格。月に5000円程度かかるとのことで、零細企業である当院が簡単に決断できる料金ではありません。

 

USENの対抗馬

 

次にモンスターチャンネルというサービスが目に入りました。

 

ロープライス&簡単な有線放送 | 店舗BGMなら「モンスター・チャンネル」

 

これはネット経由で音楽チャンネルを流せるサービスで月額1880円とUSENよりも安い料金設定です。もちろんJASRAC包括契約済みで、著作権もクリアーしています。

 

無料お試し期間もあり、1300チャンネル500万曲とコンテンツも豊富で非常に良いと思いました。ただ、選曲がチャンネル選択のみで、きめ細かく曲を流すというのは難しい部分はUSENと同じです。

 

これが答えだ。

 

どうにかならないか、ネットで情報収集していると、ちょっと予想外の情報を得ました。

 

JASRACと個別で契約を結ぶのはそれほど敷居の高いものではないというのです。

 

調べてみると、500㎡以下の店舗面積の場合、月額500円で済むとのこと。

 

手続きも申込用紙に振込用の口座を書いて郵送するだけ。

 

なんて簡単なんでしょうか。そして、月額500円で好きなCDを流せるなんて、、、。

 

イメージ先行でJASRACを秘密国家警察のごとく恐れすぎていたので、このお手軽さには驚きました。

 

Apple Music

 

さらに、私を興奮させたのはApple Musicもこの契約の範囲に入るということです。

 

Apple MusicとはAppleが提供する定額音楽配信サービスで、月額980円払うと3000万曲の楽曲が聴き放題という、音楽を最も渇望していた10代後半の自分が聞いたら発狂して引きこもりになるだろう夢のようなサービスです。

 

JASRAC 500円 + Apple Music 980円 = 1480円(税抜き)

 

で膨大な楽曲から好きな曲をチョイスし、鍼灸院に流せる。これで1480円なら高くないと判断しました。

 

早速、所定の用紙に記入し投函。

 

スパイでも送り込まれるのだろうか、もしくは気付かないところで常にJASRACの監視下にあるのだろうかと不安に襲われ、息子を「絶対に守ってみせる」と抱きしめる日々を過ごして6日後、一通の封筒がJASRACから届きました。

 

中身は、利用許諾書とステッカーでした。

 

 

なんとあっさり。

 

これで、大手を振って好きな楽曲を鍼灸院で流せるようになり、早く治って頂くための環境作りも一歩前に進みました。

 

まとめ

 

ネットの情報は玉石混合です。

 

「身体の情報を調べると、必要以上に不安を煽られる内容が多く、余計に健康を害してしまう結果を招くケースも少なくありません。」と、したり顔で患者さんに話していた私でしたが、JASRACに関してもネットの情報を鵜呑みにせず、冷静に調べるべきでしたね。

 

勉強になりました。