3/29、3/30と東京国際フォーラムで開催された経絡治療学会記念学術大会に参加してきました。
今回は記念大会ということで、鍼灸界のキラ星のごとき大スターたちが大集結。マンガ界で例えると、「ジョジョ」の荒木飛呂彦先生や、「ドラゴンボール」の鳥山明先生、「キン肉マン」のゆでたまご先生や、「北斗の拳」の原哲夫先生が集まってる感じです。ちょっと古めの表現でごめんなさい。中でも、私のお目当ては首藤傳明先生。80歳を越えた先生が、対外的な場に出る最後の講演とのことで、絶対行かなければと、妻を質に入れる覚悟で参加を決めました。
私の治療は経絡治療をベースにしています(今はこっそり古武術を取り入れたりしていますが)。鍼灸には数多くの流派、学派、治療法があります。この多様性が鍼灸の良いところでもあり、統一性のなさが公的な認知の足かせになっている悪いところでもあり、、。そんな中から、経絡治療を選んだきっかけは、首藤傳明先生の「経絡治療のすすめ」でした。 [amazonjs asin="475291042X" locale="JP" tmpl="Small" title="経絡治療のすすめ"]
鍼灸治療院を開業すると、肩こりや腰痛だけではなく、通常の医学的知識だけでは太刀打ちできない症状の方がいらっしゃいます。
パニック障害、うつ症状、閉所恐怖症、二重人格などなど。閉所恐怖症の方なんか、よく鍼灸を選んでくれますよね。こういう症状に効果的なものを求めて、書物を漁った末にたどり着いたのが「経絡治療のすすめ」でした。
経絡治療というと、敷居が高いように感じますが、首藤先生はすごくシンプルにまとめてくださり、ユーモラスな語り口もあって、興味深く読むことができ、すぐに実践で結果を出すことができましまた。おかげさまで、自律神経失調症系統の治療が得意になってしまったほどです。
首藤傳明先生の治療法にはまってしまった私は、先生の本を読み漁り、ビデオで何度も見直し、先生に対する妖しい恋慕を募らせるばかり。その先生が年齢を理由に対外的な場所に出る最後の機会とのことで、いてもたってもいられず、この会に参加したのでした。
会場は東京国際フォーラムと、凄い場所での開催です。2003年のプリンスのコンサート以来の国際フォーラムに胸躍らせながら来場すると、参加者がめちゃくちゃ多くて、会場に入りきらないくらいでした。急遽サテライトビュー用の別会場が設けられるほどでした。
会場の中心にステージを設けるという変わった会場設営に驚きつつ、前から3列目をキープ。5メートルほど前に首藤先生が!座ってる姿もかっこええなあ。などと惚けていると、鍼灸師界のスターたちの講演が始まりました。
まず橋本厳先生が経絡についての発表。経絡をユング的に解釈するというなかなか刺激的なものでした。
二人目は樋口秀吉先生が小児喘息の治療について。発作時に治療できれば完治率が高いなど、経験に基づいたお話は参考になりました。
三人目は真鍋立夫先生。精神的な疾患に対する治療を紹介して頂きました。私もそういった患者様を診る事が多いので、質問もさせていただきました。
お昼を挟んで、ついに真打、首藤先生登場。学会の硬い雰囲気が続いていた会場に笑いが広がります。話してる方も聴いてる方も楽しそう。これこそカリスマ!
今も学び続けているという先生のお話は、80を過ぎても尚、みずみずしく感じました。
四人目の山口誓己先生は腰痛を経絡治療から治療する、かなりディープな治療法を紹介してくださいました。
最後は大麻陽子先生が、ご自身の乳癌との闘病体験から抗がん剤の副作用を改善させた経絡治療についてお話しくださいました。
講演が終わり、今日の刺激的な発表を振り返っていると、遠くの方で手招きしている人がいます。誰かと思ったら、名寄市の川瀬鍼灸整骨院の川瀬邦裕先生でした。何かな?と行ってみると、そこにはなんと!首藤先生が!!首藤先生と交流のある川瀬先生が、せっかく遠くから来たんだからと、私を首藤先生に紹介して下さったのです。憧れの人を前に舞い上がって支離滅裂なことを話す私にも、首藤先生は優しい笑顔を浮かべてお話ししてくださいました。「自分のやり方ていいんですよ。最後は技術を越えて人柄が大事だから」「最初は食うのにも困って、なんとか食えるようにと研鑽してたら、今、アメリカにも招かれるようになってしまった。人生とはわからないものだね。君も大丈夫だよ。」と素晴らしいお言葉をいただきました。最後は川瀬先生に、首藤先生とのツーショットを撮って頂き、大興奮、大満足の東京出張でした。