みなさん、こんにちは。
突然ですが、私には一つ違いの弟がいます。
神話の時代のカインとアベルから、現代の鳩山兄弟まで、血で血を争う兄弟が人類史を彩りますが、我々はマトリックスを作ったウオシャウスキー兄弟レベルの仲の良い兄弟だと思います。親からもらった７歳の誕生日プレゼントが、私は花の図鑑で、弟が電子ゲームという構成も、難解な哲学書を読みあさる天才肌の兄と、アニメとカンフーが大好きなボンクラオタクの弟からなるウオシャウスキー兄弟と重なります。
ちなみに、ウオシャウスキー兄弟の兄は、恋人のSMの女王様に命じられて性転換してしまったため、ウオシャウスキー姉妹になってしまいましたが、、。
私達兄弟は、２０代の頃、東京で二人一緒に住んでいました。深夜のバイトで家を空ける事が多かった私。ある日、弟に「兄ちゃん、彼女ができた」と告白されました。弟はボンクラながら、小学生の頃から女の子にはモテており、バレンタインデーには実家の前の電柱の陰に、弟目当ての女の子が複数潜伏していた程なので、特別驚く事はなかったのですが、続けて「実は、もう一ヶ月くらい一緒に暮らしているんだ」と言われたときには、TV板ゼータガンダムの最終話級の衝撃を受けました。
その後、弟の彼女も含めて３人で仲良く２年半程一緒に暮らしました。ボンクラだった弟は、美術大学を卒業し、デザイン会社に就職、彼女とも結婚し、兄よりも先に大人の世界の仲間入りをしました。兄は、フラフラと大人になりきれず、、現在に至ります。
その、弟夫婦が久しぶりに札幌に来てくれました。目的は、快気堂の竣工パーティーに参加するためです。雑誌の編集をしている奥さんの都合もあり、一泊二日の強行軍でしたが、遠い所、駆けつけてくれました。お土産として、弟がデザインしてくれた名刺を貰いました。
デザイン、材質、手触り、全て私好みの出来で、さすが兄弟って感じです。何より嬉しかったのは、角丸長方形だった事。
初代Macの開発時、グラフィックで角丸の長方形を描けるようにしろと命じるジョブズ。「そんなの、技術的に困難だし、必要だとも思えない」と反対する、プログラム担当の天才プログラマー：ビル・アトキンソン。ジョブズはアトキンソンを外に連れ出し、道路標識をはじめとした角丸長方形がいかに世の中に溢れているのかを見せた。結果、アトキンソンは角丸長方形を描画できるプログラムを書き、現在、角丸長方形はデザインの世界の標準になっている。
ジョブズ好きの私にはシビレル！憧れる！！エピソード。そんな私の事を深く理解し、名刺を作ってくれた弟に感動し、感謝しました。
父、母、奥さんの母、奥さんのお姉さんの家族、弟夫婦、私と奥さんと、５ヶ月の息子。竣工パーティーは総勢１３人と、賑やかなものになりました。BENTOSに頼んだ１３人分のオードブルを囲み、笑顔に包まれた至福のとき。のはずなのですが、父：邦夫の様子がおかしい。目がうつろで、腕は震え、うわ言のように何かを呟いています。一体、邦夫に何が起こったのでしょうか？
つづく
