太陽光3社と面談し、パワーウォールを扱うA社に決定しようとしたところ、Twitterで待ったがかかりました。
A社が提案した「太陽光6.4kW、パワコンが4kWのもの2台というシステム」に問題があると多くの方に指摘されました。
何が引っかかるかというと、パワコンが2台あることです。
太陽光発電は、大きく分けて太陽光パネルとパワコンの2つの装置から成り立っています。
パネルが太陽光を受け、電気を発電します。このときの電気は直流で、交流にしないと家庭で使えません。パワコンは直流電力を交流に変換し、安定した出力に整える役割を持っています。
太陽光パネルでいくら発電しても、パワコン以上の電気は使えません。
例えば、太陽光パネル6kW、パワコン4kW の構成だと、最高に晴れてパネルが6kW発電しても、パワコンで4kW に制御されます。余剰分の2kW の電気は捨てられます。
じゃあ、パネルとパワコン同じくらいにすれば良いかと思うのですが、現在は、パネルを多めにする過積載というやり方が主流です。
これはなぜかと言うと、太陽がばっちり好条件で、パネルの発電量が最大値になることは案外少ないからです。
例えば、明け方、夕方、曇りや雨の日など、太陽光パネルにとって厳しい条件では、6kWのパネルだと1〜2kWしか発電できなかったりします。パネルを9kWと多めに載せておけば、同じ条件でも2~3kWくらい発電ができるという違いが出てきます。
年間を通すと、そういう悪条件の時間が多くなるので、総発電量の差が開いてきます。
さらに、パワコンは太陽光パネルに比べて価格が高いので、パワコンは一つにして、太陽光パネルを多めに載せる過積載が効率的とされ、現在の主流になっています。
太陽光パネルは載せられるだけ載せろ!という方もいますが、パワコンに対して、太陽光パネルが1.4倍の発電量分載せるのを推奨する方が多いです。
A社の担当者(クロップ似)に、どうしてパワコンが2台必要なのか伺ったところ、「過積載で効果が出るのは大規模システムのときだけ。家庭用の小さなシステムでは、パワコン2つにして、捨てる電気を少なくしたほうが効率が良い」とのことでした。
ところで、A社は、どちらかというと大規模な太陽光システムの実績が多いところです。提案された太陽光パネルも業務用の大きなものでした。大きいパネルは屋根の形に合わせにくいので、載せられる量が限られてきます。
そのためか、提案されたパネルの総発電量は3社の中で最も少なく6.4kWでした。他社はもっと多いと伝えると、メンテナンス作業のためには屋根に余裕が必要なので、これが最大限であり、他社はメンテナンスをおろそかにしているのではないか、との回答をいただきました。
そう言われてみると、そうなのかなとも思いますが、素人には判断しづらいです。
もう一つ、工期のことも気になりました。
当初、A社から工期は来年の3月と言われました。
これは北電の許可の問題で早められないとのことだったのですが、他社は北電への申請を工夫することで10月にできると言っていると伝えると、A社も11月にできるかもしれないとの回答をいただきました。
地元で唯一のパワーウォール取扱店ということで、A社に決めてしまいたいのですが、提案や対応を見ると、大規模システムには強いけど、家庭用はあんまり経験がないのではないか?という不安を感じてしまいました。
「それって、あなたの感想ですよね。」と言われれば、それまでなんですが、、、。
悩み過ぎて脳が沸騰したので、一旦、振り出しに戻って考えてみることにしました。
パワーウォールである必然性とは?それに対して他社のシステムで替えがきくのか。
比較しやすいように表にしてみました。
|
A社 |
B社 |
C社 |
パネル発電量 |
6.4 |
7.5 |
9.6 |
パネルメーカー |
エクソル |
DMM |
Qセルズ |
パワコン |
4×2 |
4.9 |
5.9 |
蓄電池 |
パワーウォール |
ファーウェイ |
ニチコン・トライブリッド |
電池容量 |
13.5 |
10 |
14.9 |
電池方式 |
リチウムイオン |
リン酸鉄 |
リチウムイオン |
機能 |
単機能 |
ハイブリッド |
トライブリッド |
コントローラー |
テスラアプリ |
アプリ・PC |
壁かけコントローラー |
デザイン |
最高・カッコイイ |
良い・スマート |
イマイチ |
V2H |
なし |
増設可能 |
増設容易 |
総費用 |
中くらい |
高い |
安い→高い |
パワーウォールと比較して、ニチコンは性能面では上回ってるところもあるけど、UI(ユーザーインターフェース)のデザインがイマイチ(ただし、息子のウケは良い)。将来、セカンドカーとしてEVを増やしたら、V2Hを構築しやすい。
ファーウェイは性能面では上回ってる点もあり、デザインはまあまあ、アプリのUIはテスラに比べてもう一歩だけど、ファーウェイのことだからすぐにパクリ、、、修正してくれるはず。
PCでの管理はプロ仕様でかなり本格的。
実用面だけ考えると、必ずしもパワーウォールじゃなくても良いけど、テスラのアプリで使えたら、すごく楽しそうなのが捨てがたいって感じですかね。
パワーウォールの強みとして価格が安いというのもあるんですが、太陽光のシステムとセットなので、総額で行くと変わんなくなっています。
UIに目をつぶると、蓄電池にそれほど差がないかなってところです。
となると、C社提案のシステムが一番パワーがあるし、ニチコン製の安心感もあるし、V2Hにも発展できるので、いいかなぁと思いました。
価格は高いけど、長く使うものだし、電気代の高騰を考えるとモトが取れると思うので、許容範囲だと考えました。
C社に決定と思いましたが、最後にB社との2回目の面談が残っていました。
さすがにもう覆ることはないと、妻とも話していましたが、万が一決定が覆るならどんな条件かなぁ?と話し合ってみたら
- 発電量が9kW以上になる
- パワコンが5.9kW以上になる
- 電池容量15kWh
- 総費用がA社よりも安い
ってな感じになりました。まあ、そんなのは無理だろうな、、、と考えながら面談の日を迎えました。
結論を言うと、考えていた条件をほとんど満たされました。
パネル発電量9.33kW、パワコン4.9が2台で9.8kW、蓄電池15kWh、価格がA社とほぼ同じという条件になりました。
|
A社 |
B社 |
C社 |
パネル発電量 |
6.4 |
9.33 |
9.6 |
パネルメーカー |
エクソル |
DMM |
Qセルズ |
パワコン |
4×2 |
4.9×2 |
5.9 |
蓄電池 |
パワーウォール |
ファーウェイ |
ニチコン・トライブリッド |
電池容量 |
13.5 |
15 |
14.9 |
電池方式 |
リチウムイオン |
リン酸鉄 |
リチウムイオン |
機能 |
単機能 |
ハイブリッド |
トライブリッド |
コントローラー |
テスラアプリ |
アプリ・PC |
壁かけコントローラー |
デザイン |
最高・カッコイイ |
良い・スマート |
イマイチ |
V2H |
なし |
増設可能 |
増設容易 |
総費用 |
中くらい |
中くらい |
高い |
ここでもパワコン2台問題が出てきました。ただ、B社の担当者(昭和風営業マン)は理由をかなり丁寧に説明してくださいました。
パネル9.33kWともなると、発電量が超過しすぎているので、安全上2台にさせてほしいとのこと。真偽は素人なのでわかりませんが、パワコン2台の問題はコストが高くなるところです。今回は、トータルの費用が他社と比べて抑えられていて、同程度の性能であるC社のシステムより30万ほど安く、性能的ににA社よりも3割ほど高性能なのに値段は変わらないので、いいかなと。
何よりも、B社の昭和営業マン風のオジサンは、前回の訪問後からメチャクチャ調べてくれたようで、他社の誰よりもパワーウォールに詳しくなっていました。
パワーウォールについて、代わりの蓄電池について、太陽光の運用について、不安に思うことは隅々まで的確に答えてくださいました。
わからないときは、わからないと言って、その場でメーカーや担当部署に電話して聞いてくれたりしました。
見た目に反して、勉強家で親切で精力的なオジサンが、自分の願望を見透かしたような提案を持ってきた、その勝負強さにハートを射抜かれてしまいました。
素人なので、まあ、丸め込まれているところもあるかもしれないけど、この費用でこの性能のものが手に入るんなら満足だし、何より、自分の気持ちを読み切って勝負してきた、このオッサンになら騙されてもいいやと思いました。
太陽光については、契約したら20年近くの長い付き合いになります。窓口がオジサンのように頼りになる人間であるかというのも重要だと思い、決断に至りました。
決断を伝えると、オジサンはさすが仕事が早く、現地調査をあっという間に終え、工事日決定までトントン拍子ですすんでいきました。
工事は10月19〜20日の予定です。札幌は雪が降ると太陽光発電できなくなるのですが、10月末なら間に合いそうですね。楽しみです。
太陽光シリーズ