みなさん、こんにちは。札幌市にある、「神様は私たちに、成功して欲しいなんて思っていません。ただ、挑戦することを望んでいるだけよ」の鍼灸院、快気堂鍼灸院白石の谷地一博です。
進行性の病
突然ですが、告白させていただきます。
息子(3歳)のことが大好きです!!
こんなこと、照らいもなく言えるほど、親バカという病が進行しています。
ママべったりだった息子ですが、最近、「パパのこと、好きになっちゃったかもしれない」と、No.1キャバクラ嬢もびっくりな発言をするなど、パパの心を捉えて離しません。
時間よ止まれ
「3歳児が一番可愛いよ」と先輩パパさん、ママさんたちは言います。
幼児と少年の間の、このなんとも言えない純粋無垢で眩しい時期をできるだけ長く味わっていたい!なんて、思っていましたが、そうはいかないものです。時間とは残酷です。
私の子育てライフにもついに、あの重要案件が発生してしまったのです。
緊急事態・重要案件発生!
それは、ある平和な日曜の午後に訪れました。一仕事終え、覚えたばかりのコーヒーをすすっていると、ガチャリと仕事場のドアが開きました。息子(3歳児)です。
また、「ブロックで恐竜を作ってくれ」とか言うんだろうと、笑顔で迎える私に、息子はこう言い放ちました。
「パパ〜、なんで、女の子にはチンチンがないの〜?」
つ、つ、つ、ついに来ました!「性教育」という、子育てにおける非常にデリケートで、その後の人生にも大きく影響するであろう重要案件が。
子育てに油断は禁物
すっかり油断していました。性教育なんて、思春期ぐらいだろうとたかをくくっていたのです。しかし、考えてみれば、急にいろんなことがわかるようになり、なんでも興味が広がっていく時期である3歳児こそ、こういう質問が出る頃なんでしょう。ちゃんと事態を想定して、答えを用意しておくべきでした。 突然の不意打ちに、頭がうまく回りません。一体どんな答えがベストなのでしょうか?
記憶をたどって
とりあえず、自分がどんな風に教わったか?と思い返してみても、親と「性」について話した記憶がほとんどありません。
唯一思い出したのが、自分が小学校3年生の時のことです。週刊少年ジャンプで学園情報部H・I・Pという連載がありました。ちょっとエッチな学園コメディーで、単行本3巻しか出てないにも関わらず、森高千里主演でドラマ化もされたので、それなりに人気があったんだと思います。
その漫画の中で、非常識な登場人物である早乙女十三(ドラマでは高田純次)が、不機嫌な女性に対して「生理だから不機嫌なんだろ」と言って殴られる場面がありました。私は、ギャグシーンなんだろうけど、「生理」という単語がわからないため、いまいち面白さがわからないな〜と思い、母親に「ねえ、生理って何?」と聞きました。
地雷を踏んだらサヨウナラ
すると、「一博!そこに正座しなさい」と、思ってもみなかった展開に。ギャグシーンを楽しみたいと、気軽な思いで聞いたのに、すごくオオゴトになってしまい、まずいことになったと思いました。
母は私に「誰に、それを聞いたのか?」と厳しく問い詰めます。私は、週刊少年ジャンプが買ってもらえなくなるかもという恐怖心で一杯になり、うつむいたまま言葉を発することができなっくなってしまいました。
それ以来、「性」に関することは、タブーなんだという認識になり、親と話すこともなくなりました。
私の子供の頃は、性の話題がタブーだったと思います。
1980年前後は、世間では恋愛至上主義の時代で、テレビや雑誌では、恋愛こそすべてと過剰に宣伝されていました。対して、性に関する話題はタブー視され、表に出ることは少なかったと思います。
性のタブー視
そういった時代に育ってきたために、性に対して後ろめたさがあります。しかし、どうなんでしょう。性って、それほど特別なものなのでしょうか。
好きな人と愛し合い、セックスをして、子供ができる。すごく自然なことではないでしょうか?私には、性に関することを子供に語らない理由が見つかりません。
子供は、物事に対して親がどんな態度をとるか、すごくよく見ていて、そういうところを真似します。
子供の性に関する純粋な疑問に対して、不必要に特別に扱えば、性に対して過剰な憧れや、または過剰な嫌悪感が生まれるかもしれません。
めんどくさいからと誤魔化せば、めんどくさくて誤魔化すものなんだと思われるかもしれません。
もし、質問を無視すれば、疑問を持っても、子供達は親に相談しなくなるでしょう。
そのような考えから、私は、子供の性に関する質問に対しては、他の自然現象と同じような扱いで、真摯に、できるだけ正確に伝えることが必要だと考えます。
性教育はじめの一歩
そこで、次のように答えました。
パパ「じゃあ、なんで、男の子にはチンチンがあるんだろ?」
息子「おしっこ、ジャージャーって出るよ!」
パパ「実は、おしっこ以外にも、赤ちゃんの種が出るんだよ」
息子「えー?うち(息子は自分のこと”うち”と呼びます)は出ないよ。」
パパ「大人になったら出るんだよ。女の人はね、種を受け取る方だから、チンチンがないんだよ」
息子「えー?ふーん」
60点を目指す
子育てには正解はありません。だから難しくもあり、やりがいもあります。
今回の回答は、正解かは分かりませんが、60点はあげられるレベルだと思います。満点とろうと思うと苦しくなります。鍼灸師の国家試験も6割が合格ラインであるように、人生で大抵のことは6割できていれば合格するはずと思っています。子育ても、60点を積み重ねていけばいいと思っています。
かけがえのない時間は人を詩人にさせます
こうやって「性教育はじめの一歩」をなんとかクリアしました。息子の疑問に真摯に向きあえた気がします。少しはパパらしい態度を取れるようになったと自画自賛です。
息子がいるから、パパになれるんだなあと、かけがえのない幸せを感じます。
冬独特の、白い日光を浴びながら、手をつなぎ、僕たちは散歩道を歩く。
何気ない曲がり角、左に曲がると、溶け始めた氷がキラキラと輝くのが見える。
その透明な光に照らされた、君のあどけない顔を見ながら、握った手にそっと力を込める。
僕は感じる、この瞬間が永遠に変わるのを
詩人気分を味わいながら、悦に浸っていると、息子がやってきてこう言いました。
「パパ、時間って何?」
新しい難問への挑戦が、また始まりました。