お魚くわえて

鍼治療が世界を変えるまでの記録

歩道の切り下げ工事と中学二年生的思考

「はたらく車」大集合

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7月26日、27日の休診日二日間を利用して鍼灸院前の歩道の切り下げ工事を行いました。朝から、ショベルカーやダンプカーなど「はたらく車」が大集合し、作業が進んでいく様は壮観でした。

「はたらく車」が大好きな2歳の息子も、実際「はたらく車」が作業している姿をじっくり見る機会なんか滅多にないので、大興奮。

「パパが、呼んだんだよ!」と言うと「パパ、ありがとう」と潤んだ目で言ってくれました。これだけでも、工事した甲斐があったなと思いましたが、ここまでこぎつけるのに結構な苦労がありました。

歩道の切り下げ工事とは

歩道と車道の間には段差が作られています。車庫や駐車場前は車が乗り入れしやすいように、傾斜がつけられているところがあります。歩道と車道の段差にこの傾斜を付ける作業を歩道の切り下げと言います。

開院しようと計画を立てている時から、この歩道と車道の段差が気になっていました。私がこの物件を購入する前、現在駐車場だったところは庭になっていて、塀で覆われていました。玄関に続く道がある所だけ、塀が車1台分空いており、その前の歩道の所だけ切り下げられていました。前の持ち主も鍼灸師だったのですが、車での来院を想定していない作りでした。

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自分の治療院のスタイルを考えた時に、自分の治療を受けるために遠くからも来ていただく事も多くなると予想し、駐車場は必須と考えました。塀を取り払い、庭を車4台分の駐車場にしました。ただ、駐車場に入るとき、切り下げられている所が1台分しかないので、車での患者さんが重なったら、どうだろう?と懸念がありました。できれば、駐車場前を全て切り下げたほうが、患者さんには親切です。

どうやったら切り下げられるのか?

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最初は「歩道の切り下げ」という言葉も知らない状況でした。どうしたら、歩道と車道の段差を無くせるのだろう?と、手探り状態で調べていくと、この作業は「歩道縁石の切り下げ」というもので、道路承認工事に当たるという事がわかりました。

道路承認工事というくらいですから、承認が必要になります。そのための申請書が工事箇所の道路を所管する区土木センターにあるという事だけはわかりました。また、道路交通法第77場第一項の規定により、警察署長絵の道路使用許可の申請も必要うんぬん、、、、、と、かなり面倒な手続きが必要とわかり、頭がクラクラし始めました。

土木維持管理課で聞いてみた

とにかく、藁をもすがる思いで、白石区土木部維持管理課に行ってみました。申請書をお願いすると、すぐにくれました。そして、こう言われました。「これ書くの、素人では無理なんで、プロの人にやってもらってください」と。「あの、全くの初心者でよくわからないのですが、プロってどういう人達の事ですか?」と聞くと「道路工事をする会社などです。切り下げの工事を発注するときに一緒にお願いするといいですよ。」と教えてくれました。

切り下げ工事について全く闇の中を歩いていましたが、「道路工事をする会社」があって、作業してくれるんだとう道筋が、やっと見えました。それまでは、道路は公共のものだから、市や区が工事もやっていて、あわよくば税金でやってくれるかもと思っていたくらいです。

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「ちなみに、道路工事の会社ってどういうところがあるんですか?」と係りの人に聞くと、「どこかの名前を言うと、公共性がなくなるので、教えられません」とのこと。それなら、一覧みたいのありますか?と聞きましたが、ダメでした。今までの人生で、道路工事なんか馴染みがないので、どう探していいのかわかりません。ネットで探してみましたが、詳しく書いている会社が少なく、なにが適正な金額で、どう頼んでいいのかわかりませんでした。ただ、どうやら結構なお金がかかることだけは、なんとなくわかりました。

開業にかなりお金を使ったので、これ以上の出資は無理でした。歩道の切り下げ工事は暗礁に乗り上げ、一旦挫折しました。

出会いは夢の実現へと繋がっていく

[caption id="attachment_752" align="alignnone" width="480"] By: Tri Nguyen[/caption]

出会いとは不思議なものです。開業してしばらくすると、舗装会社の社長が患者として来院してくれました。「90歳まで現役でいたいので頼むわ。」と常連さんになってくれました。土木系の社長らしく、豪腕な部分はもちろんありますが、クレバーさと繊細さも兼ね備えていて、経営に関することなど、お話しがすごく勉強になります。

社長は当院を気に入ってくれたらしく、社員さんや取引先の人たちまで、紹介してくれました。驚いたのは、社員さんたちから、会社や社長の悪口を一度も聞いたことがないのです。みんな社長のことを面白おかしく話しますが、深い親愛の情が感じられます。当院の回数券を社長の誕生日プレゼントにする方さえいました。さらに、この仕事が好きだとみなさん口々に言います。

こんな人たちと仕事をしてみたいな〜と常々思っていました。開業から2年経ち、なんとか資金の目処もできました。ついに、満を持して歩道の切り下げ工事をお願いすることにしました。

乗り越えるべき壁

工事の発注は快く引き受けてもらえました。ただ、問題がいくつかありました。

まず、当院は白石区役所の目の前にあります。白石はレンガの街なんだそうです。そのため、区役所の周りの歩道はレンガを敷き詰められています。新しく工事した場合も、レンガをきちんと敷かなければなりません。そのためには、普通の舗装より値段が高くなるとの事でした。

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また、歩道の切り下げには規制があって、あまり長い距離を切り下げられない可能性があるとの事でした。

レンガの問題は、なんとなく予想していたので覚悟していました。見積もりを出してもらうと、予想よりも安かったので、即決しました。

規制の問題も、会社で働きかけてくれて、オーケーが出ました。規制ってどうにかなるんですね( 笑)。役所に出す面倒な手続きも全てお任せです。当たり前かもしれませんが、プロに頼むと何事もスムーズで不安なく進むので素晴らしいです。

中二心に火がついた

そして、ついに工事に着工。今回、切り下げだけでなく、歩道にロードヒーティングも入れてもらいました。そのため、2日間でぎっちりのスケジュールでしたが、人数を沢山動員してもらい、きっちり計画通りに終わりました。

大手ゼネコンに勤めていた方が、その仕事の出来栄えに感動して転職してきたと噂の会社ですので、細かい仕上げまで完璧で、惚れ惚れします。毎朝、完成したところを見てはニンマリしています。丁寧な作業は、こんなに人を嬉しくさせるんだと、勉強になります。

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歩道の切り下げ工事は地味な変化なので、あまり患者さんに気づかれませんが、細かいところで気を使って準備をしておく精神は、作法や所作に通じるところがあり、治療成績にも影響があるのではないかと密かに楽しみにしています。

開院当初からの念願が叶い、なにより、自分のお金でそれなりに大掛かりな工事ができた事に、中二心が満たされました。

地味だけど、密かに大きく変わった快気堂鍼灸院白石。皆様を、気持ちも新たにお待ちしてます。

 

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