保健所で施術所廃止届けと開設届けを出してきました。
一般的な話題ではないですが、鍼灸師の皆さんに私と同じ失敗をして欲しくないので、恥を忍んで記録を残しておきたいと思います。
鍼灸院を開院するとき、保健所に開設届けを提出する必要があります。これは学校でも習うので鍼灸師の常識なんですが、鍼灸院の経営を法人化した際、閉院届けを出して、もう一度、開設届けを出す決まりがあることを、皆さんご存知でしたでしょうか?私は全く知りませんでした。先輩の先生がSNSでこのことについて投稿されていて、初めてその事実を知った私は、メチャクチャ焦りました。
7歳の息子に「国家とはヤクザよりも恐ろしいものだから、税金だけは必ず納めておきなさい」と怪訝な顔をいくらされても家訓として伝え続けるくらい、国家権力にビビっている私にとって、痛恨のミスと言わざるを得ません。
どんよりとした梅雨空のためか、息子が浮かない顔をしている。学校に行くのが緊張すると言う。学校までの道のりを一緒に歩きながら話してみた。
— 谷地一博 (@sivadxxx) 2020年6月29日
・税金は必ず払うこと
・税金の滞納は恐ろしい結末を招くこと
・税務署(国家)はヤクザより怖いこと
などを語ってみたが、ますます浮かない顔になった。 pic.twitter.com/fg7PU2ErIk
慌てて手続きをしてきました。
開院以来、7年ぶりの保健所での死闘。いろいろつまずいた点と、それをどう克服したかについて記しておきます。
保健所での手続きに必要な書類
まず必要書類です。個人として開設した鍼灸院を、法人として登録し直すためには次のようなものが必要になります。
施術所廃止届
施術所開設届
治療院の見取り図
はり・きゅう免許証(原本・施術者全員分)
個人の身分証明書(施術者全員分)
法人の登記簿謄本(コピーでも可)
法人の代表印
廃止届と開設届
手続きとしては、個人の施術所を廃止して、法人の施術所をあらたに開設するというのをやるわけです。 施術所廃止届と施術所開設届は自治体のWebサイトでダウンロードできます。
ダウンロードできるのはウルトラ便利なんですが、用意されているWord、PDFのファイルどちらとも、入力すると著しく書式が崩れます。
公的な文書でこんな改行とか見苦しくて大丈夫?と不安になりますが、内容が合っていれば大丈夫のようです。
また、はり師・きゅう師と2つの国家免許をもつ私たちですが、免許証番号を入力する欄が明らかに狭く、どうしたものかと迷うところです。ここに「はり000000」「きゅう000000」と無理矢理入れ込んでみたところ、特に何も言われませんでした。
「消毒設備」の欄も迷いますが、使い捨ての鍼を使っている場合は「ディスポーザブル」「アルコール消毒」などと書いておけば大丈夫です。
逆に「オートクレーブ」と書いていたら、「鍼は使い捨てなはずなのに何に使うのか?」と問い詰められました。使い捨て鍼を消毒して使い回すというケチな不届き者がいるため、念のため聞かれたたと思うのですが、使い捨て鍼しか使用しない先生は、見栄を張って使わないけど置いてある消毒器具なんかは書かないほうが良いと思います。
免許証
はり師・きゅう師の免許証は施術者全員の原本とコピーが必要です。 はり師・きゅう師の免許はB4で大きくてコピーするのに苦労しましたが、コピーは保健所の方がとってくれる(それもA4に縮小して)ので、自分で用意する必要はありませんでした。
盲点だったのは身分証明書です。これも施術者全員の原本が必要です。私は自分のものしか持っていかなかったので、もう一度保健所に行かなければなりませんでした。原本を持って来られない場合は、コピーしたものに、法人の代表印とゴム印を押して、原本と相違ないと確認した旨を代表者が記入する必要があります。
遅刻しててもあきらめないで
さて、今回の最大の問題は提出期限を大幅に過ぎていることです。規定には「開設から10日以内に提出すること」と記されています。当院の法人化は2年前、、、、。どんなお叱りを受けるのか脇汗MAXで臨みましたが、「遅延理由届」という書類を提出すればOKでした。理由は「多忙のため」で良いとのことで、助かりました。
国家公務員を信じてみよう
個人的な経験からいうと、保健所も税務署も係の方はとても親切です。国家に査定されると思うとビビりますが、公的な文書が苦手で日付を書くだけでも間違えてしまう私に、保健所の係の方は根気強く何を書くのか親切にマンツーマンで教えてくれました。
私の隣では、鍼灸整骨院の開設手続きをしている女性がいたのですが、その方は全く準備しておらず、施術所の見取り図を、定規を借りてその場で係の人にアドバイス受けながら書いてました。「窓の面積はわかりますか?」と係の人が聞くと「このくらい」と手の幅で伝えるという、私が係の人だったら「コントかよ!」と憤怒するような案件でも、根気強く丁寧に付き合っていたので、大抵のことは大丈夫だと思われます。
7年前のトラウマを越えて
しかし、なぜ、保健所は頻尿にターボをかけるのでしょうか。7年前に保健所に来たとき、猛烈な尿意に襲われ失禁寸前になるという経験をしたのですが、トラウマになっているのでしょうか。
今回も尋常ならざる頻度の尿意に襲われましたが、トイレの位置は7年前に把握済みだったので事なきを得ました。汚物として焼却されなくて一安心です。ちなみに、7年前よりトイレはかなり綺麗になっていました。
届け出はお早めに
法人化したけど、届け出をしていなかった方がもしいたら、お早めに手続きをされることをオススメします。保健所の方も親切ですし、届けていなくて何かあったときどうしよう?という不安も解消され、施術に専念できますよ。